当実務実習班は実習生6名で、星野裕司指導員、曽根雄樹副指導員のもと、9月5日社長インタビュー、10月31日報告会という日程で行われました。実習先は動画撮影スタジオ運営やWeb動画制作事業などを行う事業者様です。
初回社長インタビュー前の打ち合わせ冒頭に、星野指導員から実習に臨むにあたっての心構えについてのお話がありました。社長からは実習生ではなく中小企業診断士として見られるので、高いプロ意識をもって取り組むようご指導いただき、実習生一同気を引き締めてインタビューに臨みました。
社長インタビュー後に調査報告書の作成に取り掛かりましたが、想像していた以上に大変な作業でした。分析を深めていくたびに当社像が微妙に変化し、経営理念やビジョン、提供する複数のサービスの事業分類などを再検討しなければならず、メンバーの意識共有に多くの時間を要しました。また、報告書の核となる数年後の当社の「あるべき姿」と「課題」はなかなかまとまらず、打ち合わせ最終日まで検討を続けました。その他にも報告書としての統一感や読みやすさなども問題となり、予定された打ち合わせ以外に、リモートでの打ち合わせを何度も行いました。実習生同士で週2、3回、先生方にも加わっていただき週に1回、と頻繁に顔を合わせる日が続きました。なかなか完成形が見えず苦しい日々でしたが、実習生同士励ましあい、「今日も会ったね」と笑いあいながらの不思議と楽しい日々でもありました。
迎えた報告会。冒頭において今回の御礼を述べ、和やかな雰囲気で報告会は始まりましたが、報告書の説明に入るとだんだんと社長の様子が変わります。報告書を食い入るように見ながら「この情報は面白いですね」「これはいつのデータですか?」など興味津々、真剣な表情に。現状分析の説明が長時間続きましたが、頻繁に質問をしたり、メモをしたりと全く飽きる様子もなく説明を聞いてくださいました。そして最後に今後の課題と施策提案の説明が終わると「明日から実践します」という非常にうれしいお言葉をいただくことができました。コンサル塾の教えである、綿密な現状分析は事業者様にとって非常に価値があること、また現状分析から導き出される「あるべき姿」と「課題」は大きな説得力を持つということを実感した実習となりました。
星野指導員、曽根副指導員には、予定にない打ち合わせにも長時間お付き合いいただきました。診断士としての心構えをはじめ、事業者様との接し方、報告書の作成プロセス、分析の方法、数値計画の作り方など本当に多くのことを教えていただきました。また、素晴らしい実習メンバーに恵まれたおかげで、大変な中でも楽しく、和気あいあいとした中にも緊張感のある、非常に充実した実習となりました。実習メンバーの皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。
(Writer:城南支部 大島正)