第19期城南コンサル塾の同期5名で、宇野俊郎指導員、曽根雄樹副指導員のもと、9月1日から11月2日にかけて行われた実務実習に参加しました。実習先は、建設ドリル機械を自社開発し製造販売する事業者様です。
今回の実習は、当初予定の6回に加え、事前ミーティング、工場見学のほか、2週間に1回ペースで実習予定のところ、ほぼ毎週指導員のオフィスに集まって議論しました。毎回の実習後の懇親会を含め、実習生メンバーと指導員、副指導員との密な交流を図ることができ、とても有意義な実習でした。
実習初日の9月1日は事前ミーティングを対面で行いました。「今回の実習では、現状分析のプロセスを身に付けて欲しいので、ここをしっかりやって欲しい。」との助言と想いを宇野指導員からいただきスタートしました。報告書の大半を提言ではなく現状分析に振り向けるというスタイルは我々にとって初めてでしたので、戸惑いを覚えましたが、現状分析をしっかり行うことで問題点と課題を抽出することが経営者の方々の気づきに繋がり、役に立つのだということを今回の実習で改めて気づかされました。
実習2日目の社長インタビューでは、物静かな方であるとお聞きしていたので覚悟して臨みましたが、殊の外いろいろお話しいただけ、インタビューリストでのリストアップ項目について概ね確認できました。また、別日程9月14日の工場見学についても快諾いただきました。工場見学では、社長が嬉しそうに工場の案内や新製品の説明をする姿が印象的で、社長が製品を愛し、自信を持っていらっしゃることが窺えました。
実習最終日に実習生メンバー全員で分担して社長へご報告しました。社長は、一言一句を聞き漏らさない勢いで我々の報告を聴いておられました。最後に社長へコメントを求めたところ、「とくに私からコメントはありません」とのお言葉をいただき一同ちょっと拍子抜けとなりましたが、報告会終了直後に、我々の提案内容についての想いを改めてお伝えしたところ、すでに具体的に一部取り組み始めているとのことで、社長のご認識と大きなずれが無いことを確認できました。微力ではありますが、我々の調査報告書が僅かでも気づきに繋がり、同社の発展に寄与できればと願っています。
今回の実習では、「特許取得状況の調査」や「金融機関の取引先診断ではこの点は重要視しない」、「生産3倍増のための増築レイアウト」など経験分野が異なる実習メンバーの専門家視点での調査・現状分析やコメントは勉強になりました。自分がいろいろな調査視点の吸収に努めることは勿論ですが、自分に足らない専門性が必要な場合は複数人チームで診断・提言するやり方も有効であり、その協業ネットワークとして実習メンバーを活かせる可能性があると思いました。
最後に、リーダーとして至らない点が多々あったことと思いますが、より良い調査報告書を纏めようと全霊を傾けて取り組んでくれた実習メンバーに感謝するとともに、2か月間に亘り、既定の6回を超えて、要所での軌道修正や叱咤激励のアドバイスのほか、深夜に及ぶ報告書の添削など、ご多忙中にも拘らず精力的にご指導いただいた宇野指導員、曽根副指導員に実習生一同より厚く御礼申し上げます。
(Writer:城南支部 富永周一郎)