8月22日、城南支部の専門家養成講座の塾生うち6名は、都内の某印刷事業者に、事業調査報告書を提出した。これは、宇野俊郎先生・遠藤光輔先生に御指導をいただき、実務実習として約1か月の期間を定めて実施したものである。

実習において、特に注力したことは、事業者の現状分析であった。正確な現状分析に基づかない提言は何の意味ももたない、という厳しい指導によるものである。具体的な現状分析方法は、事業者に提出いただいた「売上データ」「仕事率表」「担当者別目標設定表」「賃金台帳」「5期分の決算書」などの資料、社長への2時間のインタビューや後日の書面及び電話での追加質問、1時間の3工場の工場見学を基にして、塾生6名で事実・推論・意見を明確に切り分けながら議論した。

特に難しかったことは、情報の入手方法であった。まず、事業者の現状を正しく分析するために、どのような情報が必要なのか把握することである。限られた時間で、優先順位をつける必要がある。また、どうすれば正確な情報を入手できるかも難しい。事業者の思い込みによることもあり、情報の聞き出し方には改善すべき点があった。

実務実習を通して、印刷事業者を支援していく自信がついた。私個人は、過去に印刷業界に携わった経験があり、今回どれだけ経験が活かせるものか不安があった。また、実習で終わらせず、専門家養成講座で学んだノウハウを活かして、伴走型支援を継続したいという思いが高まった。これを機に診断士としての能力をさらに高めていきたい。

(Writer:納塚 大)