2022年12月10日(土)、中小企業診断士大谷秀樹講師により、実務補習や実務実習の指導の現場で発生する問題、対策、工夫を共有することを通じて、実務実習指導員を育成することを目的に、城南コンサル塾主催の実務実習指導員研修「チームビルディングとコミュニケーション」が行われました。 研修の主な内容は、①実務補習・実務実習の目的、②チームの管理スタンス、③アイスブレイクの活用です。

①実務補習・実務実習の目的では、プロとしての中小企業支援を予行実演すること、中小企業診断士として基本となる心構え・在り方を学ぶこと、受講者の満足度を重視した指導を行うことなどを学びました。グループで共有されたことは、診断先に発言することに対して責任があることを自覚すること、経営者の人生を尊重すること、診断先への報告内容として自走でき、納得感があり、行動できるものであることなどです。特に私の心に残ったことは、プロとしての発言が期待されているということを自覚する必要があることで、そのためには自分で納得できるまでやりぬくことが大事だと再認識しました。

②チームの管理スタンスでは、「自主性を尊重するが、放任ではない」こと、自由ではあるがあくまで柵の中での自由という「放牧」が望ましいということを学びました。共有されたこととして、いつまでに何をするのかスケジュールを決めること、適宜進捗を報告すること、最終ゴール(診断報告書)を明確にすること、ずれているところがあれば、調整を行い、根気よくチェックする必要があること、受講者の性格や特質によって、話し方やコメントを変える必要があることなどです。このチームの管理スタンスは、実務実習だけではなく、企業内診断士として企業内でのチーム管理にも通じるものであると思いました。

③アイスブレイクでは、見知らぬものどうしの出会いの緊張をほぐすもので、自己紹介、他者認知、共同作業などで構成され、ミッションや行動指針などを共有するためのものであることを学びました。グループで共有されたことは、自己紹介のときなどを利用して、診断先の細かくてもいいところを探してもらうことを目的に、今日よかったことを多く言ってもらうことや他人の失敗を認める雰囲気を出すことを目的に、自身の過去の失敗談を話してもらうことなどです。個人的に感じたことは、自己紹介の場などをより有意義にするために、自分一人では思いつかいないような独自の工夫があり、とても楽しかったです。

今回の研修で、実務実習指導員としての大切な心構えや具体的な管理手法などを学びました。学んだことを活かし、実務補習・実務実習の場で役立て、1人でも多くのプロの中小企業診断士を育てたい所存です。

(Writer:城南支部  桑野 孝也 )