少しずつ秋の気配が感じられるようになってきた10月19日、品川区立中小企業センターにて第6回城南コンサル塾が開催されました。講義はこれまでの基礎編から応用編へと進み、当日は5つの講義が行われました。

1時限目は、志水講師の「創業支援の基礎スキル」の講義でした。創業者が躓きやすいポイントとその対処法、各種支援制度と活用方法といった創業支援の現場で活用できることについて学びました。また、創業の目的・スタイルの多様化が進む中、創業者一人一人に寄り添い根気強く支援するという、私たちの意識・心構えがとても重要であることが分かりました。

2時限目は、志水講師の支援を受けた創業者から「創業前後のリアルなエピソード」をお聞きしました。創業の一歩を踏み出せずにいた創業者が、志水講師に出会い対話を重ねることで、ビジネスの具現化・具体的なアクションが一気に進みます。その後、各種支援制度を活用し、次から次へとトライアルを行う現況をお聞きしました。私たち診断士の言動が創業者の意識・行動に与える影響力の大きさと、その責任の重さを強く認識しました。

3時限目は、白井講師の「中小企業診断士が行うI T化支援の実務」の講義でした。診断士が行うI T支援において重要なことは、I Tの利活用によってクライアントが「誰に、何を、どのように」したいのかを明確にするといった、上流の工程であることを学びました。また、生成A Iを含む最新のI T技術は、習うより慣れることが重要であることを理解しました。この講義を契機に、I Tの学習とトライアルを開始しました。

4時限目は、塾生が2チームに分かれて模擬講演を行い、岩崎講師・米山講師から講評をいただきました。より良いセミナーとするために、もう一段深く①対象とする受講者、②講義の効果、③伝える内容・伝え方について考え、セミナーの内容・流れ・ツールなどに隈無く反映させていくことが重要であることを学びました。今後の模擬講演では、上記の「深く考える」、「その考えをセミナーに反映させる」を徹底することで、より受講生のためになるコンテンツをつくって参ります。

5時限目は、猪瀬講師の「チラシ作成のポイント」の講義でした。チラシがセミナーの採択・集客に与える影響の大きさを再認識しました。また、チラシ作成の最も重要なポイントが、どのような方に受講していただきたいか、受講者にどのような価値を提供したいか、といったセミナーのコンセプトの明確化であることを教えていただきました。このコンセプトは、セミナーに関する全てのアウトプットを通じて貫いていくべきことであることが、よく分かりました。

全講義の最後に、宇野東京協会副会長から、最低賃金1,500円への引き上げ問題など中小企業に関する最新情報をお話しいただきました。

以上、5つの応用編の講義のテーマは様々でしたが、各講義の根底には共通して以下の内容が組み込まれていました。それは、クライアントが「誰」で、その方に対して「何を」「どのように」価値提供していくか、その結果クライアントにどのような状態になっていただきたいかについて徹底的に深掘りし、明確にすることの重要性です。

この「誰に・何を・どのように」の枠組みをきちんと押さえた上で学習を続け、実際に企業の検証・診断を進めていくことで、真にクライアントのためになる提言・伴走を行う診断士に成長をして参りたいと思います。

(Writer:城南支部 杉林拓弥)