今回で6回目を迎えた18期城南コンサル塾。毎回最後の講義が終わると、講義内容のあまりの濃厚さと受け止める自分の浅薄さの狭間で打ちのめされ、『千と千尋の神隠し』で千尋の隣に座るカオナシのような状態と化して帰宅の途に就いている私です。ここではその濃厚極まりない講義をタイムテーブルに沿って振り返ってみたいと思います。

一限目は『創業支援の基礎スキル』。自治体の支援事業などで活躍されている志水玲子講師による講義です。創業支援のエキスパートとして現場に深く関わる志水講師ならではの強い説得力で、創業者支援に求められるスキルや心構えをご教示いただきました。

例えば、“創業支援の場で診断が向き合う相手は経営者としての覚悟・知識・経験が足りない状態、不安を解消したい人”。“診断士の役割は、創業者自身が認識できていない課題を見つけてあげて考えるよう気付きを与え解決を手助けすること”。“(創業)計画書作成支援では、代行より助言を。計画融資を受ける為に内容をプレゼンするのは本人自身なのだから”などなど。「創業支援は一人一人と向き合う非常に難しい役割。」との言葉はとても重い一方で、支援の遣り甲斐も垣間見ることが出来ました。

二限目の『創業支援の実務』では、志水講師が実際に創業支援をされたAFRICL創業者・沖田社長が講師を務められました。学生時代からの志を実現されていく過程のお話など、引き込まれるように拝聴しました。講義の中で不足していた経営やマーケティングの知識、自分の強み弱みについての気づきを診断士から得られたことが創業の成功に大いに力となったというお話がございましたが、一限目の講義内容と合致していて、創業支援に必要なスキルを実際のお話から理解することが出来ました。

三限目は『セミナーの技法とプレゼン』。卓越したプレゼンスキルをお持ちの米山淳子講師(以降、5限の猪瀬講師まで皆様城南コンサル塾のスタッフとしてもお世話になっている方々です)が、セミナーのノウハウや高いプレゼンスキルを惜しげもなく伝授される講義でした。

ともすると非言語的で抽象的な内容になりかねない内容ですが、米山講師は一つ一つの要素に分解し言語化し修得方法を具体的に解説してくださいました。非力な私でも改善への道程が見えるようでしたので、次講四限目の模擬講演で早速講義で得た改善への気づきポイントに取り組みました。結果は見事玉砕、理解と実践の距離に絶望しつつ継続的に取り組む必要性を肝に銘じました。

『模擬講演』は人数適正化の為、毎回A班・B班の2つに分かれて実施されていますが、今回から私の属するB班の講師は独立診断士の黒田浩介講師にご指導いただきました。黒田講師からはプレゼンを行う塾生一人一人が、プレゼン・企画書・レッスンプラン・レジュメを全方位から改善ポイントを鋭く時に優しくご指摘いただきました。アドバイスの内容は各塾生に向けられたものなのですが、その普遍性は全て自分に向けられた内容のように感じました。

当日の最終講義は『チラシ作成ポイント』。講師は広告業界に携わった経歴などから高いチラシ作成スキルをお持ちの猪瀬記利講師が務められました。チラシ作りを、「企画」/「作る」に切り分け、ともすると「作る」にばかり重きを置きがちなところを「企画」部分にも焦点を当てたものでした。コンセプトや広告の原則をおさえること、ターゲットから始まりタイトルや記載の内容まで一貫性の重要性も解説していただきました。まさに、たかがチラシされどチラシ、その奥深さを痛感しました。

以上が駆け足ですが当日講義の振り返りです。錚々たる講師陣やスタッフの皆様、優秀な同期生に囲まれ、その強すぎる刺激に疲労困憊な私ではありますが、最後まで決して挫けることなく、大いに励んでいきたいです。

(Writer:城南支部 盛合康介)